BCP(事業継続計画)とは?策定のポイント、効果的な取り組みなど基礎から解説!

BCPとは?

BCP(Business Continuity Plan)とは、災害や事故などの緊急事態が発生した場合に、事業を継続するための計画のことです。BCPは、事前にリスク分析や影響評価を行い、重要な業務や資源を特定し、優先順位を決め、回復目標時間や代替手段などを策定します。BCPは、単に事故対応や復旧計画ではなく、事業の存続や競争力の維持に必要な計画です。

BCP(事業継続計画)の必要性

近年、自然災害や感染症、サイバー攻撃などの危機が頻発しています。これらの危機は、企業の事業に深刻な影響を与える可能性があります。例えば、2011年の東日本大震災では、多くの企業が工場や物流拠点を失い、供給チェーンが断絶しました。また、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行では、多くの企業が営業活動や人材確保に困難を抱えました。これらの事例からわかるように、危機に備えて事業を継続する能力は、企業の生き残りにとって重要です。

BCP(事業継続計画)のメリット

BCP(事業継続計画)を策定することには、以下のようなメリットがあります。

  • 危機発生時に迅速かつ効果的に対応できる
  • 顧客や取引先からの信頼や評価を高める
  • 従業員や株主などのステークホルダーからの支持を得る
  • 法令や規制への遵守や準拠を確保できる
  • 経営戦略や組織風土の改善につながる

国内企業のBCP(事業継続計画)策定状況

国内企業のBCP(事業継続計画)策定状況については、以下のようなデータがあります。

  • 経済産業省が2019年に実施した「中小企業等経営力強化支援法に基づく中小企業等経営力強化計画認定制度等利用促進調査」では、中小企業等経営力強化計画認定制度を利用した企業のうち、BCP(事業継続計画)を策定している割合は約38%でした。
  • 日本政策金融公庫が2020年に実施した「中小企業・小規模事業者向け新型コロナウイルス感染拡大防止対策支援融資等利用者アンケート」では、新型コロナウイルス感染拡大防止対策支援融資等を利用した企業のうち、BCP(事業継続計画)を策定している割合は約28%でした。

これらのデータからわかるように、国内企業のBCP(事業継続計画)策定率はまだ低いと言えます。しかし、危機への備えは今後ますます重要になると考えられるため、BCP(事業継続計画)の策定や見直しを進める必要があります。

BCP(事業継続計画)の問題点

BCP(事業継続計画)を策定することにはメリットが多いですが、一方で以下のような問題点もあります。

  • 策定に時間やコストがかかる
  • 策定後に運用や更新がされない
  • 現実に即した内容になっていない
  • 経営層や従業員の理解や協力が得られない
  • 他社や関係機関との連携が不十分

これらの問題点を解決するためには、BCP(事業継続計画)を単なる書類作成ではなく、経営戦略や組織文化の一部として捉え、定期的に見直しや訓練を行うことが必要です。また、他社や関係機関との情報共有や協力体制を構築することも重要です。

BCP策定の流れとポイント

BCPを策定するには、以下のような流れが一般的です。

1. プロジェクトチームの結成
BCP策定には、経営層や各部門の代表者など、関係者全員の協力が必要です。プロジェクトチームを結成し、役割や責任を明確にします。また、外部の専門家やコンサルタントに支援を依頼する場合もあります。
2. リスク分析
事業に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、その発生確率や影響度を評価します。リスクには、自然災害や人災、社会的混乱やテロなどの外部要因だけでなく、システム障害や人材不足などの内部要因も含まれます。
3. 重要業務の特定
事業継続に必要不可欠な業務を特定します。重要業務とは、事業目標や顧客満足度に直接関わる業務や、法律や契約上義務付けられている業務などです。重要業務には、優先度や復旧目標時間(RTO)などの指標を設定します。
4. 対策策定
重要業務を継続するために必要な対策を策定します。対策には、予防対策と復旧対策があります。予防対策とは、リスク発生前に行うことでリスクを回避するか低減するかする対策です。例えば、バックアップや冗長化などがあります。復旧対策とは、リスク発生後に行うことで事業を復旧する対策です。例えば、代替拠点や代替手段などがあります。
5. BCP文書化
上記の内容をもとに、BCP文書を作成します。BCP文書には、プロジェクトチームのメンバーや連絡先、リスク分析の結果、重要業務の一覧や指標、対策の内容や手順などが記載されます。BCP文書は、わかりやすく具体的であることが求められます。
6. BCP教育と訓練
BCP文書をもとに、関係者にBCPの内容や役割を教育します。また、定期的に訓練を行い、BCPの有効性や問題点を確認します。訓練には、机上訓練やシミュレーション訓練などがあります。
7. BCP見直しと改善
BCPは、環境や事業の変化に応じて、常に見直しと改善を行う必要があります。定期的にBCPの見直しを行い、必要に応じてBCP文書や対策を更新します。また、訓練や事故発生時の経験をもとに、BCPの改善点を洗い出し、改善策を実施します。

BCP運用のポイント

BCPを運用する際には、以下のようなポイントが重要です。

  • 経営層のコミットメント
    BCPは、経営層の強い意思と支援がなければ実現できません。経営層は、BCPの重要性や目的を理解し、プロジェクトチームに必要なリソースや権限を与えることが求められます。
  • 組織全体の関与
    BCPは、組織全体の関与が必要です。各部門や拠点は、自分たちの業務やリスクについて把握し、BCP策定や運用に積極的に参加することが求められます。また、外部の取引先や協力機関とも連携し、相互に支援できる関係を構築することが求められます。
  • 情報共有と伝達
    BCPは、情報共有と伝達が重要です。プロジェクトチームは、BCPの内容や進捗状況を関係者に適切に報告し、フィードバックを受け取ることが求められます。また、事態発生時には、迅速かつ正確に情報を収集し、関係者に伝達することが求められます。

まとめ

BCPは、事業を継続するための計画です。BCP策定には、リスク分析や重要業務の特定などが必要です。BCP運用には、経営層のコミットメントや組織全体の関与などが必要です。BCPは、常に見直しと改善を行うことで効果的な計画となります。

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