ネットワークを構成する技術と運用する上で重要な技術

ネットワークを構成する技術

ネットワークとは、コンピュータやサーバーなどの機器が相互に通信できるように接続されたシステムのことです。ネットワークを構成するには、様々な技術が必要です。ここでは、プロトコル、IPアドレス、OSI参照モデル、ネットワークを構成するハードウェアの4つの技術について説明します。

プロトコル

プロトコルとは、通信のルールや手順のことです。プロトコルに従って、機器同士がデータをやり取りします。プロトコルには、TCP/IP、HTTP、FTP、SMTPなどがあります。TCP/IPは、インターネットで最も広く使われているプロトコルです。TCP/IPは、複数のプロトコルの集合体であり、それぞれが異なる役割を担っています。例えば、TCPは、データの分割や再結合、順序やエラーの管理を行います。IPは、データを送信する際に、送信元と送信先のアドレスを付与します。

IPアドレス

IPアドレスとは、インターネット上で機器を識別するための番号のことです。IPアドレスは、32ビット(IPv4)または128ビット(IPv6)の数値で表されます。IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部に分かれています。ネットワーク部は、機器が属するネットワークを示し、ホスト部は、そのネットワーク内での機器の位置を示します。例えば、192.168.1.10というIPアドレスでは、192.168.1がネットワーク部であり、10がホスト部です。

ルーティング

ルーティングとは、データを送信する際に、最適な経路を選択することです。ルーティングは、ルーターという機器が行います。ルーターは、自身が持つルーティングテーブルという情報に基づいて、データを次の目的地に転送します。ルーティングテーブルは、隣接するルーターや自身の設定によって更新されます。

IPv4/IPv6

IPv4とIPv6は、IPアドレスの形式の違いです。IPv4は、32ビットの数値で表されるIPアドレスであり、約43億個のアドレスが利用可能です。しかし、インターネットの普及に伴って、IPv4アドレスの枯渇が問題となっています。そこで開発されたのがIPv6です。IPv6は、128ビットの数値で表されるIPアドレスであり、約340澗個(3.4×10^38個)のアドレスが利用可能です。IPv6では、IPアドレスの枯渇問題だけでなく、セキュリティやパフォーマンスなども改善されています。

DNS

DNSとは、Domain Name Systemの略であり、インターネット上でドメイン名とIPアドレスを対応付けるシステムのことです。ドメイン名とは、インターネット上の機器やサービスを識別するための文字列のことです。例えば、www.google.comというドメイン名は、Googleのウェブサイトを示します。DNSは、ドメイン名をIPアドレスに変換することで、機器同士の通信を可能にします。DNSは、階層的に管理されており、ルートサーバー、トップレベルドメインサーバー、オーソリティサーバーなどがあります。

OSI参照モデル

OSI参照モデルとは、Open Systems Interconnection Reference Modelの略であり、ネットワーク通信の標準化のために提唱されたモデルのことです。OSI参照モデルでは、ネットワーク通信を7つの層に分けて考えます。それぞれの層は、下位層から上位層へとデータを渡す際に、ヘッダやトレイラという情報を付加または削除します。これにより、異なる機器やプロトコル間でも通信が可能になります。

アプリケーション層

アプリケーション層は、最上位の層であり、ユーザーが利用するアプリケーションやサービスに関するプロトコルが定義されています。例えば、HTTP(ウェブ)、SMTP(メール)、FTP(ファイル転送)などがあります。アプリケーション層では、データをメッセージという単位で扱います。

プレゼンテーション層

プレゼンテーション層は、アプリケーション層とセッション層の間に位置する層であり、データの表現形式や暗号化などに関するプロトコルが定義されています。例えば、ASCII(文字コード)、JPEG(画像フォーマット)、SSL(暗号化)などがあります。プレゼンテーション層では、データをメッセージという単位で扱います。

セッション層

セッション層は、プレゼンテーション層とトランスポート層の間に位置する層であり、通信の開始や終了、再開などに関するプロトコルが定義されています。例えば、TCP(セッション制御)、RPC(リモートプロシージャコール)などがあります。セッション層では、データをメッセージという単位で扱います。

トランスポート層

トランスポート層は、セッション層とネットワーク層の間に位置する層であり、データの分割や再結合、順序やエラーの管理などに関するプロトコルが定義されています。例えば、TCP(信頼性の高い通信)、UDP(信頼性の低い通信)などがあります。トランスポート層では、データをセグメントという単位で扱います。

ネットワーク層

ネットワーク層は、異なるネットワーク間でデータを転送するためのルーティングやアドレス付けを行う階層です。例えば、IPアドレスやサブネットマスクなどがこの階層で扱われます。

データリンク層

データリンク層は、同じネットワーク内でデータを送受信するためのフレーム化や誤り検出・訂正を行う階層です。例えば、MACアドレスやイーサネットなどがこの階層で扱われます。

物理層

物理層は、データを電気信号や光信号などに変換して伝送するための物理的な媒体や規格を定める階層です。例えば、ケーブルやコネクタ、無線周波数などがこの階層で扱われます。

ネットワークを構成するハードウェア

コンピュータ/サーバー

コンピュータやサーバーは、ネットワーク上でデータを処理したり提供したりするための機器です。コンピュータは一般的に個人や組織が利用する端末で、キーボードやマウス、画面などが付いています。サーバーは特定のサービスや機能を提供するために専用化されたコンピュータで、通常はラックに収納されています。

ルーター

ルーターは、異なるネットワーク間でデータを転送するための機器です。ルーターは、送信元と送信先のIPアドレスを見て、最適な経路を選択してデータを中継します。ルーターは、インターネットや企業のネットワークなどで広く使われています。

ケーブル/無線

ケーブルや無線は、ネットワーク上でデータを伝送するための媒体です。ケーブルは、金属や光ファイバーなどの物質で作られた線で、コンピュータやルーターなどの機器を接続します。無線は、電波や赤外線などの電糸で、空気中を通してデータを伝送します。ケーブルや無線には、速度や距離、安全性などの特徴があります。

ネットワークを運用する上で重要な技術

ネットワークはコンピュータやデバイスが相互に通信できるように接続されたシステムです。ネットワークを構成する技術には、仮想化、冗長化、監視・セキュリティなどがあります。これらの技術は、ネットワークの性能や信頼性、安全性を向上させるために重要です。

仮想化

仮想化とは、物理的なリソースを論理的なリソースに分割したり、複数の物理的なリソースを一つの論理的なリソースに統合したりする技術です。仮想化には、サーバ仮想化、ストレージ仮想化、ネットワーク仮想化などがあります。仮想化の利点は、以下のようなものがあります。

  • リソースの効率的な利用
  • コストの削減
  • 柔軟性や拡張性の向上
  • 管理や運用の簡素化

冗長化

冗長化とは、ネットワークに障害が発生した場合に備えて、同じ機能を持つ予備の機器や回線を用意する技術です。冗長化には、機器冗長化、回線冗長化、プロトコル冗長化などがあります。冗長化の利点は、以下のようなものがあります。

  • ネットワークの可用性や信頼性の向上
  • 障害発生時の影響範囲や復旧時間の短縮
  • バックアップや災害対策の強化

監視・セキュリティ

監視とは、ネットワークの状態やトラフィックを常に監視し、異常や問題を検知したり分析したりする技術です。監視には、パッシブ監視とアクティブ監視があります。パッシブ監視は、ネットワーク上を流れるパケットを傍受して分析する方法です。アクティブ監視は、特定のデバイスやサービスに対してテストパケットを送信して応答を確認する方法です。監視の利点は、以下のようなものがあります。

  • ネットワークの性能や品質の把握
  • 障害や攻撃の早期発見
  • トラブルシューティングや最適化の支援

セキュリティとは、ネットワークに対する不正なアクセスや攻撃から保護する技術です。セキュリティには、暗号化、認証、認可、防火壁、侵入検知・防御システムなどがあります。セキュリティの利点は、以下のようなものがあります。

  • データの機密性や完全性の確保
  • ネットワークの安全性や信頼性の向上
  • 法的な規制やコンプライアンスの遵守

まとめ

ネットワークを構成する技術と運用する上で重要な技術について、物理層からアプリケーション層までの5つの階層に分けて説明しました。これらの技術は、ネットワークの仕組みや動作を理解するために必要な基礎知識です。また、これらの技術は常に進化しており、新しいプロトコルやサービスが開発されています。ネットワークに関心がある方は、ぜひ最新の情報にも目を向けてみてください。

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