Googleフォームの使い方完全ガイド|作り方・共有・集計・スプレッドシート連携まで
Googleフォームは、Googleが提供している無料のオンラインフォーム作成ツールです。アンケート、申し込み、問い合わせ、テスト・クイズなど、さまざまな用途に使える汎用性の高さが特徴です。ブラウザさえあればPCでもスマホでも操作でき、専門的な知識がなくても数分でフォームを公開できます。
一方で、「なんとなく使っているだけ」「最低限の機能しか知らない」という人も少なくありません。本記事では、Googleフォームの基本から、実務で使える便利機能、ビジネス活用のコツ、セキュリティ面の注意点まで、できるだけ具体的に解説します。
目次
- 1 Googleフォームとは?基本機能とメリット・デメリット
- 2 Googleフォームを使う前に準備すること
- 3 基本的なGoogleフォームの作り方
- 4 質問形式の詳しい使い分けと実践例
- 5 フォームのデザインとブランドイメージの統一
- 6 Googleフォームの共有方法とケース別おすすめ
- 7 回答の確認・自動集計・グラフ化
- 8 Googleフォームとスプレッドシート連携の活用
- 9 テスト(クイズ)機能の活用方法
- 10 ビジネスでのGoogleフォーム活用事例
- 11 セキュリティ・個人情報保護のポイント
- 12 よくあるトラブルと対処法
- 13 まとめ:Googleフォームを使いこなして「情報を集める仕組み」を効率化しよう
Googleフォームとは?基本機能とメリット・デメリット
Googleフォームは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できるフォーム作成ツールです。Webブラウザ上で質問項目を作成し、URLやQRコードで配布するだけで、オンライン上で回答を集められます。
最大の特徴は、Googleスプレッドシートとの連携です。集めた回答が自動的に表形式で保存されるため、集計や分析が非常に簡単になります。Excelでアンケート結果を手入力していたような作業は、ほぼ不要になります。
主なメリットは次の通りです。
- 無料で使える
- フォームの作成が直感的で簡単
- 回答が自動で集計され、グラフ化もワンクリック
- Googleスプレッドシートとの連携でデータ分析がしやすい
- PC・スマホどちらからでも回答可能
- 複数人でフォームの編集・管理ができる
一方、デメリット・制限も存在します。
- デザインの自由度はそこまで高くない
- 決済機能などは標準では搭載されていない
- 複雑なワークフロー(承認フローなど)は不得意
「高機能な予約サイトを作りたい」「決済まで一気に完了させたい」といった要件には向きませんが、「情報を集めるフォーム」としては非常に優秀です。
Googleフォームを使う前に準備すること
Googleフォームを使うために必要なものは多くありません。基本的には次の2つだけです。
- Googleアカウント(Gmailアドレスなど)
- インターネットに接続されたPCまたはスマホ
ビジネスで利用する場合は、個人のGmailアカウントではなく、会社として契約している Google Workspace アカウントで運用することをおすすめします。そのほうが、組織内限定のフォームや権限管理がしやすく、セキュリティ面でも安心です。
ブラウザは Chrome、Edge、Safari など、主要なものなら問題なく動作します。古いブラウザや、JavaScriptを無効化している環境では正常に動かないことがあるため、社内利用の場合は事前にIT部門に確認しておくと安心です。
基本的なGoogleフォームの作り方
ここからは、実際にGoogleフォームを1つ作る流れを詳しく見ていきます。
新しいフォームを作成する手順
- ブラウザで「Googleドライブ」を開く
- 左上の「+新規」をクリック
- 「その他」→「Googleフォーム」を選択
- 「空白のフォーム」またはテンプレートを選ぶ
テンプレートギャラリーには、「連絡先フォーム」「イベント登録」「仕事応募」「注文フォーム」など、よく使うパターンが最初から用意されています。完全にゼロから作るのが不安な場合は、テンプレートを選んで中身だけ編集する方法が手軽です。
タイトルと説明文の設定
フォームを開いたら、まずは「無題のフォーム」と表示されているタイトル部分を、目的に合った名前に変更します。
例:
・●●セミナー参加申し込みフォーム
・顧客満足度アンケート
・問い合わせフォーム(●●株式会社)
その下の説明欄には、フォームの目的や回答にかかる想定時間、注意事項などを簡潔に書きます。
例:
「本アンケートはサービス改善のために実施しています。所要時間は約5分です。ご協力をお願いいたします。」
タイトルと説明文がしっかりしていると、回答者の安心感が高まり、離脱を防ぐことにつながります。
質問を追加していく
右側のツールバーにある「+」ボタンをクリックすると、新しい質問を追加できます。
最初から「無題の質問」が1つ用意されているので、ここを書き換えながらフォームを組み立てていきます。
質問ごとに、以下のような形式を選べます。
- 記述式:短いテキスト(名前・会社名など)
- 段落:長めのテキスト(自由記述の意見など)
- ラジオボタン:1つだけ選択させたいとき
- チェックボックス:複数選択可能なとき
- プルダウン:選択肢が多いときに画面をすっきりさせたい場合
- ファイルのアップロード:画像・PDF・エクセルなどの提出物回収
- スケール(線形スケール):満足度を1〜5などの段階で答えてもらう
- 日付・時刻:予約日や希望時間の選択
質問の右下にある「必須」のスイッチをオンにすると、その質問に答えないと送信できないようになります。「名前」「メールアドレス」「連絡先」など、どうしても必要な項目は必須に設定しておきましょう。
質問形式の詳しい使い分けと実践例
Googleフォームの強みは、複数の質問形式を組み合わせて柔軟なフォームを作れる点です。ここでは、よく使うパターンと具体例を紹介します。
単一選択と複数選択の使い分け
「ラジオボタン」は1つだけ選ばせたいときに使います。
例:
「参加区分を選択してください」
- 一般
- 学生
- 取引先
一方、「チェックボックス」は複数選択が必要な場合に使用します。
例:
「興味のあるテーマをすべて選択してください」
- マーケティング
- セールス
- 人事・採用
- 経営戦略
この2つを混同すると、集計がしづらくなったり、意図しない回答が集まる原因になります。
ファイルアップロードで提出物管理を効率化
レポート、写真、企画書などを集めたいときは、「ファイルのアップロード」が便利です。
Googleドライブ上にファイルが自動的に保存されるため、メールで添付ファイルを受け取るよりも管理が楽になります。
社内の申請フォーム(見積書の添付、経費精算書の提出など)にも応用できます。ただし、外部ユーザーからファイルを受け取る場合は、ウイルスチェック・個人情報の扱いなどに十分注意しましょう。
セクションと条件分岐でフォームを賢くする
質問数が多くなってきたら、「セクション」を使ってページ分けするのがおすすめです。
例えば、次のような構成が考えられます。
- セクション1:基本情報
- セクション2:サービスについての評価
- セクション3:今後の要望
さらに、「前の質問の回答によって進むセクションを変える」という条件分岐も設定できます。
例:
「今回のセミナーに参加しましたか?」
- はい → 参加者向けの詳細アンケートへ
- いいえ → 不参加の理由を聞く簡易アンケートへ
これにより、回答者にとって不要な質問をスキップでき、回答のストレスを減らすことができます。
フォームのデザインとブランドイメージの統一
Googleフォームはデザインの自由度こそ高くありませんが、最低限のカスタマイズは可能です。
フォーム上部の「パレット」アイコンをクリックすると、
- テーマカラー
- アクセントカラー
- 背景色
- ヘッダー画像
を設定できます。企業ロゴやイベントのキービジュアルをヘッダー画像として設定すれば、ブランドイメージを崩さずにフォームを見せることができます。
また、文字量が多くなる質問は、適宜改行を入れたり、箇条書きにしたりして読みやすく整えることも重要です。視認性の低いフォームは、それだけで回答完了率が落ちてしまいます。
Googleフォームの共有方法とケース別おすすめ
フォームが完成したら、次は「どう配るか」です。状況に応じて、最適な共有方法を選びましょう。
メールやチャットでURLを送る
もっともシンプルなのは、フォームURLをコピーしてメールやチャットツールで送る方法です。
- 社内メンバーに一斉送信して社内アンケート
- 既存顧客リストにメルマガでアンケート依頼
- SlackやTeamsなどにリンクを貼って回答依頼
というように、ほとんどのシーンで使えます。
QRコードでその場で回答してもらう
店頭やイベント会場では、QRコードを使うのが便利です。
ポスターやスライドにQRコードを表示し、「こちらからアンケートにご協力ください」と案内すれば、その場でスマホから回答してもらえます。
Webサイトに埋め込んで問い合わせフォームにする
企業サイトに問い合わせフォームがない場合でも、Googleフォームを埋め込めば、すぐに「お問い合わせページ」を用意できます。
HTMLにiframeタグを貼り付けるだけなので、WordPressなどのCMSでも簡単に実装可能です。専用の問い合わせシステムを開発する余裕がない場合の暫定策としても有効です。
回答の確認・自動集計・グラフ化
Googleフォームの「回答」タブには、「概要」「質問」「個別」という3つの表示モードがあります。
概要表示で全体の傾向をつかむ
「概要」では、各質問ごとに集計結果が自動でグラフ表示されます。
選択式の質問であれば、円グラフや棒グラフが自動生成されるため、ざっくりとした傾向を把握するのに最適です。レポート用にスクリーンショットを取って資料に貼り付けるだけでも、十分な報告資料になります。
個別表示で1件ずつ確認する
「個別」では、1人分の回答内容をまとめて確認できます。
申込フォームの場合は、この画面を見ながら対応していく運用も考えられます。ただし、件数が多くなる場合は、スプレッドシート連携を前提にした方が効率的です。
Googleフォームとスプレッドシート連携の活用
Googleフォームの真価は、スプレッドシートとの連携で発揮されます。
スプレッドシートへの自動保存
「回答」タブ右上のスプレッドシートアイコンをクリックすると、
- 新しいスプレッドシートを作成
- 既存シートと接続
のどちらかを選べます。連携すると、その瞬間からすべての回答が自動的に行単位で記録されていきます。
フィルタ・並べ替え・ピボットテーブル
スプレッドシートに保存された回答は、通常の表と同じように操作できます。
- 部署別・地域別・年代別にフィルタ
- 日付順にソートして申込順を確認
- ピボットテーブルで集計レポートを作成
など、かなり柔軟な分析が可能です。
「アンケートの集計が大変」という悩みは、ほとんどの場合、Googleフォーム+スプレッドシートで解消できます。
Apps Scriptによる自動化の入り口
さらに活用度を上げたい場合は、Google Apps Scriptで簡単なスクリプトを組んでみるのもおすすめです。
例:
- 新しい回答があったら担当者にメール通知
- 特定の回答があったときだけ別のシートに転記
- 回答内容をもとに自動返信メールを送る
初めての人には少しハードルが高く感じられますが、「サンプルコードを少しだけ書き換えて使う」というレベルでも十分便利になります。
テスト(クイズ)機能の活用方法
Googleフォームには「テストとして設定」という機能があり、オンラインテストやクイズを簡単に作れます。
テストモードの設定方法
- フォーム右上の「歯車」アイコン(設定)をクリック
- 「テスト」タブを選択
- 「テストにする」をオン
これで、各質問に「正解」と「点数」を設定できるようになります。
自動採点とフィードバック
選択式の問題では、正解をあらかじめ指定しておけば、自動採点が可能です。
また、不正解だった場合に表示する解説も設定できるため、単なるテストではなく「学習の機会」としても活用できます。
学校・塾の小テストはもちろん、社内研修後の理解度チェックとしても非常に便利です。
ビジネスでのGoogleフォーム活用事例
実務での具体的な使い方をイメージしやすいよう、代表的な活用パターンをいくつか紹介します。
問い合わせフォームとして利用
Webサイトに専用システムを導入していない場合でも、Googleフォームを埋め込めば、お客様からの問い合わせ窓口を用意できます。
スプレッドシートに問い合わせ内容が蓄積されるため、「よくある質問」を抽出する材料にもなります。
セミナー・イベントの申し込み管理
イベント名、参加者氏名、所属、メールアドレス、参加希望枠などを項目にしておけば、申し込み管理が非常に楽になります。
参加者リストをスプレッドシートからそのままエクスポートし、名簿や受付リストにも利用できます。
社内アンケート・満足度調査
従業員満足度調査、社内制度に関する意見収集、在宅勤務に関するアンケートなど、社内向けのアンケートにも最適です。
Google Workspace環境であれば、「組織内ユーザーのみ回答可能」に設定することで、外部からのアクセスを防げます。
セキュリティ・個人情報保護のポイント
Googleフォームは便利な反面、個人情報を扱うケースが多いため、いくつか注意すべき点があります。
収集する情報を最小限にする
「とりあえず全部聞いておこう」という発想で項目を増やしすぎると、情報漏えい時のリスクが高まります。
氏名・連絡先・住所・生年月日などの情報は、本当に必要な分だけに絞るのが基本です。
利用目的・問い合わせ窓口を明示する
フォームの説明文には、
- 何のために情報を集めるのか
- どのように利用するのか
- 問い合わせ先
をできるだけ分かりやすく書いておきましょう。
企業として運用する場合は、自社のプライバシーポリシーへのリンクを記載しておくとより安心感があります。
回答者制限とアクセス管理
機密性の高い情報を扱う場合は、「組織内のユーザーのみ」「特定のドメインのみ」など、回答者を制限する設定を利用します。
不用意にURLを外部に共有すると、想定外の人がフォームにアクセスしてしまう可能性があるため注意が必要です。
よくあるトラブルと対処法
Googleフォームを使っていると、次のようなトラブルが発生することがあります。
- 回答者から「フォームにアクセスできない」と言われる
- 回答がスプレッドシートに反映されない
- よく分からないスパム回答が大量に届く
フォームにアクセスできない場合は、「組織内ユーザーのみ」に制限していないか、URLが途中で切れていないかなどを確認します。
スプレッドシートに反映されない場合は、連携先のシートが削除されていないか、権限が変更されていないかをチェックします。
スパム回答が多い場合は、ログイン必須にしたり、公開範囲を限定したりといった対策を検討しましょう。
まとめ:Googleフォームを使いこなして「情報を集める仕組み」を効率化しよう
Googleフォームは、無料でありながら非常に多機能なフォーム作成ツールです。
基本的な作り方さえ押さえてしまえば、アンケート、申し込み、問い合わせ、テスト、社内申請など、さまざまな場面で「情報を集める仕組み」を簡単に用意できます。
さらに、スプレッドシート連携やApps Scriptを組み合わせれば、小さなチームでも業務の自動化・効率化まで視野に入ってきます。
もし今、エクセルに手入力したり、メールでバラバラに情報を受け取ったりしているのであれば、Googleフォームへの切り替えを検討する価値は十分にあります。
最初はシンプルなアンケートからで構いません。少しずつ慣れながら、自社・自分に合ったGoogleフォームの使い方を見つけていきましょう。
投稿者プロフィール

- スータブル・ソリューションズは日々のITに関するQ&Aから、ITインフラ周りの構築・保守サポートまでワンストップで対応します。IT化の信頼おけるパートナーとして貴社に最適なソリューションを提案し、課題解決にオーダーメイド型のサービスを提供します。
【有資格】
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