ITサポートにおけるトラブル対応の流れと事例

企業の業務においてIT環境は不可欠ですが、パソコンの不具合やネットワーク障害、セキュリティインシデントなど、さまざまなトラブルは避けて通れません。これらのトラブルに適切かつ迅速に対応できるかどうかは、業務の継続性や社員の生産性に直結します。

そこで重要となるのが ITサポートにおけるトラブル対応 です。本記事では、ITサポートが行うトラブル対応の一般的な流れを解説するとともに、実際の事例を紹介し、企業が備えておくべきポイントを整理します。

ITサポートが対応する主なトラブル

ITサポートが対応するトラブルは多岐にわたります。代表的なものを挙げると以下の通りです。

  • PCや周辺機器の不具合(起動しない、印刷できないなど)
  • ネットワーク障害(インターネット接続が不安定、VPNがつながらない)
  • システムやアプリケーションの不具合(業務ソフトが開かない、メールが送受信できない)
  • セキュリティインシデント(ウイルス感染、不正アクセスの疑い、情報漏洩リスク)
  • クラウドサービス関連のトラブル(ログインできない、データ同期不良)

これらのトラブルは、発生から解決までのスピードが遅れると、業務停止や取引先への影響、顧客満足度の低下につながります。

トラブル対応の基本的な流れ

ITサポートがトラブル対応を行う際には、以下のステップが一般的です。

1. 受付・一次対応

  • ユーザーからの問い合わせを受け付ける(電話、メール、チャット、チケットシステムなど)
  • 事象の概要をヒアリングし、優先度や緊急度を判断する
  • 簡単な設定変更や再起動などで解決可能か一次対応を実施

2. 切り分け・原因調査

  • 発生範囲を特定(個別PCの問題か、ネットワーク全体か)
  • ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、ユーザー操作のいずれが原因かを切り分ける
  • ログ解析やモニタリングツールを活用して詳細を調査

3. 対応・復旧

  • 原因を特定した上で適切な対応を実施
  • 設定変更、パッチ適用、機器交換、ウイルス駆除などの復旧作業
  • 業務影響を最小化するため、応急対応と恒久対応を分けて進める場合もある

4. 再発防止策の検討

  • 同様のトラブルが再発しないよう、原因を共有し改善策を検討
  • マニュアル整備、監視体制の強化、社員への注意喚起などを実施

5. 報告・クローズ

  • 対応内容と結果をユーザーに報告
  • インシデント管理システムに記録し、ナレッジとして蓄積
  • 必要に応じて定期レポートとして経営層に共有

ITサポートにおけるトラブル対応の事例

事例①:PCが起動しない

  • 状況:社員のPCが突然起動しなくなり、業務が停止
  • 対応:一次対応で電源周りを確認 → 問題なし → 診断の結果、HDD故障と判明
  • 復旧:代替PCを即日手配し、バックアップデータを復元
  • 効果:業務停止時間を最小限に抑え、翌日には通常業務に復帰

事例②:ネットワーク障害で全社員が業務停止

  • 状況:社内全体でインターネットが利用不可となり、クラウド業務システムも停止
  • 対応:ルーター・スイッチの状態を確認 → 外部回線障害を特定
  • 復旧:回線業者に連絡し、臨時回線を手配
  • 再発防止:バックアップ回線を導入し、冗長化を実現
  • 効果:今後の業務停止リスクを大幅に軽減

事例③:マルウェア感染

  • 状況:社員のメール添付ファイルを開いたことでマルウェア感染
  • 対応:感染PCをネットワークから隔離し、ウイルス駆除を実施
  • 復旧:バックアップデータを利用してシステムを復元
  • 再発防止:全社員にセキュリティ研修を実施し、フィルタリングを強化
  • 効果:セキュリティ意識向上と防御体制の強化につながった

トラブル対応を効率化するポイント

1. ナレッジの共有

過去の対応履歴を蓄積し、同様のトラブル発生時に迅速に解決できるようにする。

2. チケットシステムの活用

問い合わせを一元管理し、対応状況や進捗を見える化することで、対応漏れや遅延を防ぐ。

3. 優先度の設定

業務への影響度に応じて優先順位を設定する。基幹システムの障害は最優先で対応するなどルールを明確化。

4. 自動化ツールの導入

監視ツールやリモート操作ツールを活用し、障害検知から復旧までの時間を短縮する。

5. 社員教育

操作ミスやセキュリティ事故を未然に防ぐため、定期的な社員教育を実施する。

ITサポートにトラブル対応を任せるメリット

  • 業務停止時間を短縮できる
  • 専門知識を持つスタッフが対応してくれる
  • セキュリティリスクを軽減できる
  • 社員が本来業務に集中できる
  • 再発防止策を組織的に実施できる

企業にとって、ITサポートは単なるトラブル解決のための存在ではなく、事業継続性を高めるための重要なパートナーといえます。

まとめ:迅速かつ体系的な対応が企業の信頼を守る

ITサポートにおけるトラブル対応は、

  1. 受付 → 2. 調査 → 3. 復旧 → 4. 再発防止 → 5. 報告
    という流れで進められます。

事例からもわかるように、適切な対応を行えば業務停止時間を最小化でき、再発防止によって組織全体の信頼性を高めることが可能です。

企業にとってITトラブルは避けられませんが、迅速かつ体系的に対応できる体制を構築することで、リスクを最小限に抑え、事業継続性を確保できます。ITサポートを有効に活用し、万が一に備えた強固な基盤を整えていきましょう。

投稿者プロフィール

スータブル・ソリューションズサービス担当者
スータブル・ソリューションズサービス担当者
スータブル・ソリューションズは日々のITに関するQ&Aから、ITインフラ周りの構築・保守サポートまでワンストップで対応します。IT化の信頼おけるパートナーとして貴社に最適なソリューションを提案し、課題解決にオーダーメイド型のサービスを提供します。

【有資格】
■事業免許
総務省 届出電気通信事業者 A-10-3067号
東京都公安委員会 事務機器商営業許可 第306660205689号
東京都 産業廃棄物収集運搬許可 第13-00-119879号
神奈川県 許可番号 01400119879号

■取得認証
情報セキュリティマネジメントシステムISO27001認証(登録番号 JUSE-IR-402)
情報処理支援機関「スマートSMEサポーター」(認定番号 第16号-21100052(18))