コンピュータセキュリティとは?基本の考え方・代表的な脅威・必要な対策をわかりやすく解説
目次
コンピュータセキュリティとは?基本概念を解説
コンピュータセキュリティとは、パソコン・スマホ・サーバー・ネットワークなどの情報システムを、外部・内部のさまざまな脅威から保護するための仕組みやルール、技術の総称です。近年はテレワーク・クラウド利用・SNS普及によって攻撃対象が拡大し、個人も企業も高いレベルのセキュリティが求められています。セキュリティとは単なる「ウイルス対策」ではなく、情報資産を守るための総合的な取り組みであり、基本概念を正しく理解することが安全性向上の第一歩です。
情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)
情報セキュリティは次の3つの要素が基礎になります。
- 機密性(Confidentiality):許可された人だけが情報にアクセスできる状態を維持すること。
- 完全性(Integrity):情報が正しく改ざんされておらず、正確で信頼できる状態であること。
- 可用性(Availability):必要なときに情報やシステムが利用できる状態を保つこと。
例えば、データ漏えいは「機密性」の欠如、改ざんは「完全性」の欠如、システム障害は「可用性」の欠如に該当します。
コンピュータセキュリティの目的
セキュリティ対策の目的は次のとおりです。
- 脅威から情報資産を保護する
- 攻撃や事故発生時の影響を最小限にする
- ビジネスや生活の継続性を確保する
- 個人情報や機密データを守ることで信頼性を確保する
攻撃が高度化する現代では、セキュリティ対策は「リスク管理」そのものと言えます。
個人と企業で求められるセキュリティの違い
個人の対策例:パスワード管理、セキュリティソフト、怪しいリンクに注意
企業の対策例:アクセス権限管理、ログ監査、情報セキュリティポリシー、社員教育、インシデント対応フローなど
企業では規模が大きくなるほど攻撃リスクも増大するため、より体系的な対策が必要です。
コンピュータに対する代表的なセキュリティ脅威
コンピュータを狙う攻撃手法は年々進化しており、以下の脅威は特に被害が多い代表例です。
ウイルス・マルウェア
コンピュータに侵入し、破壊や乗っ取り、情報盗難を行う不正プログラム。メール添付・不正サイト・偽アプリなど様々な経路で感染します。
ランサムウェア
ファイルを暗号化し、解除と引き換えに金銭(身代金)を要求する攻撃。企業の被害額は数千万円に達することもあります。
フィッシング詐欺
正規サービスを装ったメールやSNSで偽サイトに誘導し、パスワード・カード情報を盗み取る手口。個人の被害が急増しています。
不正アクセス(パスワード攻撃など)
総当たり攻撃・リスト型攻撃などにより、弱いパスワードが突破され、アカウント乗っ取りにつながります。
スパイウェア・アドウェア
ユーザーの行動を監視し情報を盗むスパイウェアや、勝手に広告を表示するアドウェアなどの迷惑プログラム。
ソフトウェアの脆弱性攻撃(ゼロデイ攻撃)
ソフトの欠陥(脆弱性)を突く攻撃。修正前のゼロデイ攻撃は特に危険で、更新していないPCが狙われます。
個人が取るべきコンピュータセキュリティ対策
個人ユーザーは次の基本対策を習慣化するだけで、被害リスクを大幅に減らせます。
セキュリティソフトの導入
ウイルス・マルウェア・危険サイトを自動検知。無料より有料の方が精度・防御力が高い傾向があります。
OS・アプリのアップデート(パッチ適用)
脆弱性の修正が含まれるため、更新を放置すると攻撃を受けやすくなります。自動更新が推奨されます。
パスワード管理(強固なパスワード・二段階認証)
- 12文字以上
- 使い回し禁止
- 二段階認証(2FA)の設定
パスワード管理アプリを使うと安全性が向上します。
公共Wi-Fi利用時の注意点
暗号化されていないWi-Fiは盗聴リスクが高いため、VPNを使うか接続を避けるのが安全です。
怪しいメール・サイトを避ける
- 不自然な日本語
- 見覚えのない差出人
- 添付ファイルの押し付け
このようなメールは開かないことが重要です。
企業で求められるコンピュータセキュリティ対策
企業では技術・人・仕組みの3方向で対策が必要です。
ポリシー・規程の整備
情報セキュリティポリシー、各種規程を整備し、従業員へ周知することで統一した運用が可能になります。
ログ管理・アクセス制御
誰がどの情報にアクセスしたか記録し、不正行為を抑止。権限は最小限(最小権限の原則)が基本です。
USB・外部メディアの管理
情報持ち出しによる漏えいを防止するため、USB利用禁止や暗号化を行います。
社員教育(ヒューマンエラー対策)
社員の誤操作・油断が最も多い原因。定期的な研修や疑似フィッシング訓練が効果的です。
クラウド利用時のセキュリティ対策
アクセス権限、ログ監査、暗号化、共有設定などを適切に管理し、誤設定による情報漏えいを防ぎます。
コンピュータを守るための技術的対策
ファイアウォール
外部からの不正アクセスをブロックする基本的な仕組み。
IDS/IPS(侵入検知・防御)
IDS=侵入を検知、IPS=侵入をブロック。企業ネットワークで特に重要です。
暗号化(通信・デバイス)
盗まれても読み取れないようにする仕組み。PCのフルディスク暗号化は標準対策。
VPNの活用
通信を暗号化し、テレワーク時の安全性を確保します。
多層防御(Defense in Depth)
単一の対策に依存せず、複数対策を組み合わせて防御力を高める考え方。
コンピュータセキュリティが弱いとどうなる?被害事例
情報漏えい
顧客情報の流出は企業にとって致命的で、罰金・賠償金・信用失墜など深刻な影響があります。
アカウント乗っ取り
SNS・メール・銀行アカウントが乗っ取られ、詐欺に悪用される危険があります。
金銭的被害
フィッシングや不正送金により個人でも企業でも大きな損害が発生します。
システム停止・業務停止
ランサムウェア被害により、工場や店舗が停止する事例も発生しています。
企業の信用失墜
一度失った信用は回復が難しく、企業存続に関わる重大問題になります。
セキュリティリスクを減らすための日常習慣
定期的なウイルススキャン
週1回のフルスキャンでリスクを大幅に減らせます。
バックアップの実行
外付けHDD・クラウドなど複数の場所に保存することで、データ消失を防げます。
パスワード更新
長期間使用すると漏えいリスクが高まるため、定期更新が推奨されます。
不審なアプリや拡張機能の削除
知らないうちにインストールされる場合があるため、定期確認が重要です。
まとめ:コンピュータセキュリティは日常の積み重ねが最重要
コンピュータセキュリティは「特別な専門家だけが行うもの」ではなく、個人の習慣と企業の仕組みによって強化できます。脅威は年々高度化していますが、基本を理解して日常的に対策を行うことで、多くのリスクは防ぐことができます。安全なIT環境を整え、安心してデジタル社会を活用していきましょう。
投稿者プロフィール

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【有資格】
■事業免許
総務省 届出電気通信事業者 A-10-3067号
東京都公安委員会 事務機器商営業許可 第306660205689号
東京都 産業廃棄物収集運搬許可 第13-00-119879号
神奈川県 許可番号 01400119879号
■取得認証
情報セキュリティマネジメントシステムISO27001認証(登録番号 JUSE-IR-402)
情報処理支援機関「スマートSMEサポーター」(認定番号 第16号-21100052(18))


